
A:私たちは、お墓を、「生きた証しのモニュメント」、家族全員をつなぐ「こころの古里」と考えています。
誰もが人生はたった一度です。縁によって家族となり、懸命に生きて、懸命に支え合って家庭が営まれ、苦しみも悲しみも、喜びも楽しみも分かち合って暮らした人生は、最も尊ぶべき「生きた証し」であるはずです。
それをモニュメントとして顕し、そのモニュメントを家族全体の「こころの古里」とする、ということが私たちの「お墓」に対する基本的な考え方です。
A:それと、日本のどこに住んだとしても、世界のどこに住んだとしても、帰るべき古里は一つです。それは両親や家族が眠る所ですよね。それを家族の絆の証しとして「こころの古里」って言っています。
Q:「生きた証し」「こころの古里」ですか。考えてみればその通りですね。初めてお聞きする考え方ですね。
A:そうですか。
Q:今まで「お墓」は遺骨の納骨場所、死をイメージさせる暗くて怖い場所と考えていましたが、お寺の墓地というのは、それぞれの家族の「生きた証し・こころの古里」と考えると、「温かく明るい和みの場所と」いうことになりますね。
A:その通りです。ですから、現代のお墓はそれぞれのご家庭の個性を大切にして墓石に家族が大切にしている文字や、花、会社のロゴなどを刻まれる方もおられます。また、さまざまなデザインも可能です。伝統的なお墓はもちろん、個性的なお墓が目立つ時代なんです。しかも、以前に比べてお寺にお墓参りに来られる方は年々増加しています。
Q:なるほどね。素朴な疑問なんですが、仏教はお釈迦さまが開いた教えであることは知っていますが、色々な宗派がありますね。宗派って何ですか?
A:仏教のさまざまな宗派は、日本だけではなく世界中に色々あります。十人十色という譬えがあるように、お釈迦さまのお説きになった仏教の基本的な智慧を前提にして多くの弟子たちによってさまざまな解釈が試みられました。その解釈を含めたすべての仏典は「一切経」ともいわれますが、その数は5048巻ともいわれます。膨大です。
Q:すごいですね。そんなに多くの仏典があるんですか?
A:そうなんです。2600年前にお釈迦さまが説かれた仏教なんですが、お釈迦さまがお説きになった原始仏典をはじめ、多くの菩薩・阿羅漢・修行僧・学僧たちによって仏典が註釈されて今日まで伝わったんですね。
Q:ということは、譬えは不謹慎ですが「宗派」っていうのは仏教の「メニュー」みたいなものなんですかね(笑い)。
A:(笑い)おもしろい譬えですが、私流の譬えで言いますと、大きな山があります。その山には頂上があります。頂上は一つですが、その山に登る登山口はたくさんありますね。その登山口が「宗派」ということになるのではないでしょうか。
仏教では「八万四千の法門」と言いますが、意味は「数多くの仏教への入り口」ということです。どんなことも仏教の入り口になるという意味です。
Q:お寺の歴史から仏教の歴史、墓地の意義をわかりやすく教えていただきましたが、とても面白いですね。
いままでお寺とか神社といってイメージ優先で見ていましたが、歴史や意味、機能について知ると全然印象が違ってきますね。
A:そうですね。お寺という存在を歴史や意味、機能で見ると白黒映画と総天然色映画の違いぐらい(笑い)、全く違って見えてきますね。私が少し学んだ時もそんな感じがしてとても驚きました。