
Q:「お墓の種類」を少し詳しく教えてください。
A:「お墓の種類」というか、いわゆる「葬送や埋葬の仕方」は色々あるんですが、今回は4つの種類、方法をご説明したいと思います。
■樹木葬について
A:先ず、最近流行中の「樹木葬」についてです。樹木葬は1999年岩手県のある寺院が始めた「樹木葬公園墓地」という民間霊園が発祥です。
当初は安価で便利で、「自然に帰る」という日本人の死生観にもマッチして多くの霊園はもとより、寺院墓地にも取り入れられました。
いまでは墓地のシェアの過半数以上ともいわれるほどになりましたが、メリットがあればデメリットもあるのが現実ですね。
Q:メリットとデメリットを教えてください。
A:メリットとしては、納骨壇や一般墓地に比べて安価であるということなんです。
平均ですが67万円程度で埋葬できることになっています。
しかし、現実にはいろいろな条件が付いていることも多く、数十年分の管理料の一括納入だったり、小さな石塔などを建立すると割高な価格であったり、最近では需要増大に伴って価格も高騰し始めており、80万~100万円以上(東京都内)である場合も多くなっています。それと「継承者不要」という点もメリットしてあげられますが、最後には無縁仏として永代供養されるわけで、私はちょっと疑問を感じます…。
A:デメリットとしては、埋葬場所が筒状のことが多く、遺骨を「粉骨」しないと埋葬できない点です。遺骨ですが、日本の精神文化では「遺骨にも尊厳」があります。火葬場でさえ骨壺に遺骨をお納めするときに「生きておられたとき」のように骨壺の底に下半身、その上に上半身、最後に頭(頭蓋骨や喉ぼとけ)納めるしきたりがあります。
それを粉骨にして布袋に入れて埋葬するのは遺族の追悼心情を損ねる恐れがあるのです。
私は、そういうクレームを何度も聞いています。
Q:そうなんですか。…そういう埋葬方法には私も疑問を感じますね。確かに、人間には死んでも尊厳がありますよね。自分の父や母、兄弟であればなおさらですよね。
■納骨堂について
A:次に「納骨堂」なんですが、納骨堂は全天候型で参拝アメニティ(参拝環境)が良好だとされているんです。冷暖房完備の納骨堂が多いので雰囲気も手軽さも価格もリーズナブルということで好評なんです。
デメリットといえば、一つの納骨壇に埋葬できる遺骨の数に制限があり、平均3霊ぐらいが限度だと思います。それ以上になる場合は、一般墓地と変わらない価格になります。
また、参拝時期も他のご利用者の方々と同時に重なりますので、混雑や混乱が避けられないことも多くあることで追悼心情が満足されないとのクレームをお聞きする場合もあります。
確かに納骨壇も継承者不要の原則はメリットの一つですが、寺院付属の納骨壇ならば継承者がなくてもお寺にお願いすれば永代供養をしてくれますが、そうでない納骨堂は先々のことまで調べて予め手を打っておく必要がありますね。
Q:一つひとつの埋葬について詳しく説明していただくと、それぞれにメリット・デメリットがあるんですね。このメリット・デメリットの比較はとても大事ですね。後々からでは遅いですからね。
A:そうなんです。価格とか継承者不要とかの要素だけでは決められないのですね。
葬送や埋葬というのは、生物の中で人間だけが行う最も人間的な、知的で文化的な行為だと思うんですね。だから、ちょっと立ち止まって考えていただきたいと思うんです。
■墓地を考えることってカッコいいじゃないですか!
Q:いろいろ教えていただいて今思ったのですが、お墓って本当に心に余裕がないと考えられないじゃないですか。
墓の意味も分からず、目先の値段や条件だけで決められるような単純なものじゃないんですよね。「お墓を考えられる人」ってカッコいいですよね。
A:そうですか?はじめて伺う感想ですね(笑い)
Q:こんな世知辛い、薄っぺらな世の中で、自分が死んだ後のことまで考え、お墓を建てて残された人の道標になろうとするわけですよね。こういうのを本当にカッコいい人というんじゃないですかね。
Q:なるほど。本当の余裕っていうのはこういうことなのかもしれませんね。
いやー、一本取られました(笑い)